top of page

あなたが知らない帽子の起源

“はにわ”も被っていた帽子の歴史。

帽子の歴史

 

今やファッション性が高い帽子ですが、その起源や歴史は西洋史や世界史に深い繋がりがあります。

起源も国により様々で、その時代の社会情勢にきわめて敏感に反応しつつ移り変っています。

 

そして、その中で帽子はいつもドレスと一体となってあらわれています。

時代背景とドレスは帽子にとって切っても切れない縁が有ると言えるでしょう。


また、形はもちろん今の物とはだいぶ異なりますが帽子は原始時代、

すでにあらわれていたといわれています。

 

はじめは日光の直射を避ける、寒さや風を防ぐ、

頭部を守ったり髪の乱れを防ぐという

実用的な理由で使われていたものが、

 

集団で生活するようになると、

自分をより美しく見せようとする気持も出ていろいろ考案され、

次第に複雑な豪華なものへと発展して、

やがては身分や階級を示すようにもなりました。

 

このように、我々人間の歴史が

帽子の歴史には強く反映されていて

「人間らしさ」がとても強く表れていると言えるでしょう。

 

 

日本の帽子はいつ頃から?

 

■帽子の始まり
帽子の起源をいろいろな資料で調べると、形こそ違うものの

ずいぶん昔から帽子の類似品や、帽子の前身らしいものがあることが実証されています。

 

古くは、はにわの中にも帽子をかぶっているものが発見されているし、

人間の生活の始まりと起源を一つにしているといえます。

 

中国では紀元前から帽子の存在が確認出来ており、

日本での帽子の起源は作笠(かさぬい)が初めだと言われています。

 

聖徳太子も烏帽子などを被っていましたが、

これは仏教の伝来とともに隣の中国から伝わったようです。

しかし、この時代烏帽子は日常的に被る帽子であり、

朝廷に出仕するときは冠を被っていました。

 

はっきりとそれを被る人の身分階級をあらわすようになってきたのは、

平安朝に入ってきた頃です。

 

ここまでが、おおよそ平安時代~室町時代になります

 

 

 

 

 

 

 

 

西洋の帽子が持ち込まれた『戦国時代/安土桃山時代』

 

この時代に入り、多くの男性たちは

引き続き烏帽子をかぶっていましたが、

この戦国時代の武士達は兜を被るので

漆で固められた烏帽子では被ることが出来ません。

 

そんなニーズに合わせてか、

柔らかい布で作られた揉烏帽子などが新たに登場しました。

 

また、この時代には鉄砲の伝来と共に、

西洋の帽子が持ち込まれ、派手好きな武将や

若者にもてはやされたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎖国最後の時代江戸時代』

 

安土桃山時代あたりに日本に入ってきた西洋帽子でしたが、豊臣秀吉のキリスト禁止令に合わせて民衆にも次第に忘れられていきます。

 

そのような背景があり、この江戸時代に

最もよく被られていたのが、またしても作笠でした。

 

また、この時代の女性の間では

現在でいうところの和装の結婚式の際に花嫁がかぶっている、角隠しの様な布被りが流行っていたそうです。

 

 

 

 

 

 

鎖国の終焉明治時代/大正時代』

 

 

鎖国の終焉、明治維新に合わせて西欧文化と

西洋の帽子や衣服が日本にも広まっていきます。

 

陸海軍の制服が西洋の物に取り替わるとともに、

一般の大衆の間でも、洋服に下駄、

もしくは和服に靴といったファッションが見られるようになります。

 

また、文明開化によって男性はチョンマゲを切り落としていたので

それを隠せる帽子が便利だったとも言えます。

一説には、まだ髷を切り落としていなくて、

それを隠していた者もいたそう…。

 

 

 

 

 

 

帽子の全盛期『昭和時代(戦前)』

 

この時代、帽子はさらにポピュラーになっていきました。

 

戦前の時代を題材としたドラマでも見られるように

このころの学生はみんな学生帽を被っていました。

以前は階級を表していた帽子が、その人の

職業などを表すようになっていったと言えるでしょう。

 

戦争が始まって贅沢品が禁止されるまでは

特に帽子の全盛期で、右も左もほとんどの人が帽子をかぶっていたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

ファッション色の強まる『昭和時代(戦後)』

 

 

戦争が終了した戦後から昭和時代後半までの間、

この時代は戦前より帽子は目立たなくなってしまいました。

 

しかし、映画に出ている俳優のファッションに憧れたり、

影響を受けた人々は再び帽子のファンとなっていきました。

 

そして、スポーツが盛んになってくると

それぞれのスポーツに合わせた機能的な帽子も

表れてくるようになりました。

 

 

 

 

 

そして現在へ『昭和時代(後期)/平成時代』

 

 

この時代で一気にマスメディアの影響が大きくなり、

テレビや映画の影響を受けて帽子をかぶってみたり、

 

そのほかの人でも、紫外線対策としての帽子の機能面を

意識して帽子をかぶってみたりと、いままで帽子をかぶらなかった人々も

帽子をかぶる機会が増えていきました。

 

現在では、UVカットや防寒などの機能面も充実し、

ファッション性はもちろん、機能面からも帽子が広く利用されるようになりました。

作笠(かさぬい)です。

"http://muromachi-style.jp/kate1/kasa1.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・作笠(かさぬい)

bottom of page